医学小論文のテーマその2~癌の告知はされるべきか~

奈良医大が1000文字小論文なので長い小論文の練習

私は癌の告知は積極的にそして可能な限りされるべきであると考える。確かに、癌の告知をすることで患者に深い絶望を与え、患者が自暴自棄になってしまうという観点から行うべきでないという考えの医師もいる。しかしながら、患者に積極的な癌の告知を行うことは、癌の告知で患者に絶望を与え、自暴自棄にしてしまう問題以上のメリットがある。

なぜなら、患者に癌の告知を行うことで、患者は自分の病気が知らされない不安から解放され、残された時間を有意義に使うことが出来るからである。積極的に癌の告知を進めることが推奨される背景としては、従来のパターナリズムに代表される医師の患者に対する高圧的な治療から医師と患者のコミュニケーションと相互理解を重視した治療に移り替わりつつあるという事実も大きい。

医師と患者のコミュニケーションと相互理解を重視した治療によって、残された時間の体力、疼痛管理、在宅ケアの環境整備などの問題を緩和ケア医やコメディカルの協力の元でQOLを維持したまま過ごしやすくなっている。

そして、積極的に癌の告知を進めることが推奨される背景として医療の発達により癌は治る病気になってきており、以前のような癌は死であるという考え方は古くなってきていることもある。

また、私は、医師として人の人生に真剣に向き合うためには、癌の告知は避けられない問題であると考えている。確かに、癌の告知をしないことで患者に偽りの安心感をもたらすことが出来るかもしれない。しかし、人の人生の最後を決めるのはその人自身であり、他人である医師が人の最後をどう生きるかという選択肢を奪うことが果たして正しいのかという疑問がある。

以上に述べた理由から、私は、癌の告知を行うことで、患者に深い絶望を与え自暴自棄にしてしまうかもしれないという意見や癌の告知をしないことで患者にその場しのぎの安心を与えることが出来るという意見を考慮したうえで、癌の告知は患者の人生に最後の選択肢を提示し、患者自身が満足のいく最後を迎え入れることが出来るようにするために必須であると考える。

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